made in … 。。。製
みなさんは、イタリア製の楽器が好きですか?
やっぱりクレモナ製の楽器が好きですか?
最近の新作クレモナ製の楽器についてです。
16世紀頃イタリアで始まったバイオリン製作はやがてドイツ、フランスへ広まり、ヨーロッパ各地で作られるようになりました。海を渡りアメリカ大陸でも、アジア諸国でも、今日では普通に作られています。
多くのバイオリンに魅了された人達は、バイオリンの聖地クレモナをめざしました。(そんなアニメも。。。)結果、小さな田舎町クレモナは現在国際町になり、クレモナのバイオリン職人はイタリア人とは限らなくなりました。ドイツ、オーストリアをはじめ、ハンガリー、ロシア、コロンビア、、、そしてもちろん日本からも。そして彼らによってイタリアのクレモナで製作された楽器には、堂々と made in Cremona(クレモナ製)というラベルが貼られています。
イタリア・クレモナ製の楽器、それは昔クレモナの巨匠達の作った楽器でした。今は、「クレモナで作られた楽器」です。
何が変わったのでしょうか。イタリアで作られたのでmade in Italyには間違いありません。では、それはmade by Italianでしょうか。もし本当にイタリア人が作った楽器であれば真のイタリアの楽器だと思います。なぜなら、彼らはイタリアに生まれ、イタリアで育った、芸術の中で育った心を持っています。また彼らの作る物は実用性はもちろんですが美しさにこだわっています。例えばバイオリンのヘッド(スクロール)は実用的楽器に美術的な頭をつけました。よく言われますが「イタリア人は音を作る」と。例えば日本人は工芸品をとても精密に作れます。しかしイタリア人は音を備えた楽器を作ります。
残念ながら楽器は誰がどこで作ったかで値段が決まります。しかし国際化した今、誰がどこで作っていても良い楽器というのはあります。材料も道具も製作法もほとんど変わりありません。わたしの知っている製作者は家族代々イタリアで楽器製作をしており、本人は生まれも育ちもイタリアです。純イタリア人ですが、現在はアメリカで製作しています。その楽器はもちろんmade in the USA、しかしmade by Italianです。イタリアの心で作られており、きっとイタリアの音を持っていると思います。
どこで製作されたということも重要ですが、それ以上に誰が作ったかということも考えてみてください。
少なくとも機械の作った量産品には「心」が欠けているかもしれませんね。